ウィリアム・モリス

ウィリアム・モリスは英国の本の装丁家で日本では知られているけれど、実はビジョナリーだった。装丁はおそらく副職で彼はあるべき世の中の青写真である人間のパラダイスを描いて「どこでもないところからのニュース」という本も執筆・出版してる。オーストラリアの砂漠の真ん中にユートピアという名が付けられた土地がある。世界大恐慌の後、ヨーロッパで多くの人々が職を失い、ウィリアム・モリスに感化されたのか南半球のオーストリアに夢を追いかけて移住し砂漠の水も木もない何もないところに牧場を作り名付けた名前だった。1993年にオーストラリアの砂漠を訪れ星を見て寝袋に身を入れて眠りたき火でお湯を沸かしブッシュティーを飲んだが、何十時間クルマを走らせても誰一人見かけることもなかった。今はユートピアという名前だけが残っているが、夢を見た開拓者も家畜もいない。

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空から見たオーストリアの砂漠。